不動産登記規則の改正(法定相続証明制度)

Q】法定相続証明制度とは

A法定相続証明制度とは、相続人が法務局に「戸籍の謄本」と相続人全員分の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などを記した「相続関係図」を作成し、それらを揃えて法務局に提出することで、「法定相続情報」を記した証明書を交付してもらいます。この制度を利用すれば、以後、相続に関係する手続きを行う際の戸籍関係の書類は、この証明書1通で足りるようになります。「法定相続情報証明制度」が出来たとしても、一度は故人の出生から死亡までの戸籍謄本等を集めることは必要です。故人の出生から死亡の戸籍、相続人全員の戸籍などが大量になる方ほど、煩雑さを軽減することに期待できると考えられます。

「近時,相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し,これがいわゆる所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっている旨の指摘がされている。不動産登記規則の一部を改正して相続登記を促進するため,不動産登記規則を改正して「法定相続情報証明制度」(仮称)を新設することとする。」と言うのが法定相続証明制度を新設する趣旨です。

 この制度は、相続手続きの負担を軽減することを目的にしています。しかし、遺産分割手続きの目的で、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集し、一覧図を作成することは、「難しく、手間が掛かる」のも事実です。相続手続きの専門家に相談することもご検討ください。

 

地域包括ケアシステムの強化(介護保険法の一部改正)

 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、通常国会(第193回)に提出されました。「高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保することに配慮し、サービスを必要とする方に必要なサービスが提供されるようにする。」としています。ポイントとして、下記の5項目をあげています。

 1 自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(介護保険法)

 ・ 国から提供されたデータを分析の上、介護保険事業(支援)計画を策定。計画に介護予防・重度化防止等の取組内容と目標を記載

 ・ 都道府県による市町村に対する支援事業の創設   

 ・ 財政的インセンティブの付与の規定の整備   以上を法律により制度化。

 ・ 地域包括支援センターの機能強化(市町村による評価の義務づけ等)

 ・ 居宅サービス事業者の指定等に対する保険者の関与強化(小規模多機能等を普及させる観点からの指定拒否の仕組み等の導入)

 ・ 認知症施策の推進(新オレンジプランの基本的な考え方(普及・啓発等の関連施策の総合的な推進)を制度上明確化)

2 医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)

 新たな介護保険施設・名称「介護医療院」を創設する。

 今後、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、「日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れ」や「看取り・ターミナル」等の機能と、「生活施設」としての機能を兼ね備えた、新たな介護保険施設を創設する。

 ただし、病院又は診療所から新施設に転換した場合には、転換前の病院又は診療所の名称を引き続き使用できる。現行の介護療養病床の経過措置期間については、6年間延長することとする。

 3 地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護保険法、障害者総合支

    援法、児童福祉法)

 高齢者と障害児者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、 介護保険と障害福祉両方の制度に新たに共生型サービスを位置付ける。(指定基準等は、平成30年度介護報酬改定及び障害福祉サービス等報酬改定時に検討)

 4 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする。(介護保険法)

 「合計所得金額(給与収入や事業収入等から給与所得控除や必要経費を控除した額) 220万円以上」かつ「年金収入+その他合計所得金額340万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合463万円以上)」とすることを想定。⇒単身で年金収入のみの場合344万円以上に相当【平成30年8月施行】

 5 介護納付金への総報酬割の導入(介護保険法)

 第2号被保険者(4064歳)の保険料は、各医療保険者が加入者である第2号被保険者の負担すべき費用を加入者数に応じて一括納付しているものを、負担報酬額に比例した負担とするものです。(激変緩和の観点から段階的に導入)【平成298月分より実施】

 

改正道路交通法(平成29年3月12日施行)

  平成29312日から施行される「改正道路交通法」では、大きなポイントの1つとして「高齢者の運転免許制度の変更」があります。

  高齢運転者対策について、臨時認知機能検査・臨時高齢者講習制度の新設についてご紹介します。平成29312日から施行される改正道路交通法の大きな変更は、75歳以上の運転者が免許証を更新する際の認知機能検査を受けた後と、更新時以外で一定の交通違反をした後の制度の改正です。旧制度でも、75歳以上の運転者は3年に1回の免許証更新時に認知機能検査を受けることになっていました。検査時の年月日・曜日・時間を回答するなど、30分で終わる簡易なものです。

  改正道路交通法では、免許証更新時の認知機能検査で第1分類(認知症のおそれあり)と判定された場合は、違反の有無にかかわらず、臨時適性検査(医師の診断)を受ける、または主治医などの診断を受けてその診断書を提出することになります。つまり、第1分類と判定された方は全員、認知症かどうかの診断を受けることになり、診断の結果、認知症であることが判明したときは、免許の取消し等の対象になります。

 なお、今回の改正により、75歳以上のうち認知機能検査で第1分類(認知症のおそれあり)または第2分類(認知機能低下のおそれあり)と判定された方に対する高齢者講習については、実車指導の際に運転の様子をドライブレコーダーで記録しその映像に基づいて個人指導を行うなど、内容が充実(高度化)され、時間が延長されることになります(計3時間・手数料7,550円)。
 
一方、75歳未満(70歳以上)の方と75歳以上のうち認知機能検査で第3分類(認知機能低下のおそれなし)と判定された方に対する高齢者講習については、内容が合理化され、時間が短縮されることになります(計2時間・手数料4,650円)。

  改正道路交通法では、75歳以上の運転者について、認知機能の状況をタイムリーに把握するため、更新時以外でも一定の違反行為があった場合は、新設される臨時認知機能検査を受けることになります。また、更新時と同様、この臨時の検査で第1分類(認知症のおそれあり)と判定された方は全員、臨時適性検査(医師の診断)を受ける、または主治医などの診断を受けてその診断書を提出することになり、診断の結果、認知症であることが判明したときは、免許の取消し等の対象になります。