成年後見等の利用を考えておられる方に向けて、手続きに特化した資料として整理しています。(親族申立)
1.申立の準備:概要を把握してください。
管轄の確認(本人の住民登録をしている住所地を管轄する家庭裁判所)
本人(後見等の援助を必要とされている方)の住所地(原則として,本人が住民登録している場所)により申立てをする裁判所が決まります。
横浜家庭裁判所本庁:横浜市、鎌倉市、藤沢市,茅ケ崎市,大和市,海老名市,綾瀬市,高座郡
(寒川町)
相模原支部:相模原市,座間市
川崎支部:川崎市
横須賀支部:横須賀市,逗子市,三浦市,三浦郡(葉山町)
小田原支部:小田原市,秦野市,南足柄市,足柄上郡(中井町 大井町 松田町 山北町 開成町),足
柄下郡(箱根町 真鶴町 湯河原町) ,平塚市,中郡(大磯町 二宮町) ,厚木市,伊勢原市,愛甲郡
(愛川町 清川村)
申請人の確認(本人、配偶者、四親等内の親族、他)
本人の状況、類型(後見、保佐、補助)の確認
後見:判断能力が欠けているのが通常の状態の方
保佐:判断能力が著しく不十分な方
補助:判断能力が不十分な方
親族関係図の作成、同意書の準備
後見人等候補者
2.管轄裁判所で手続き書式(一式)を貰う:郵送も可能
裁判所HP|裁判所トップページ > 裁判手続の案内 > 家事事件 > 後見開始
7. 手続の内容に関する説明 に掲載されている下記ビデオを見ておくと良いと思います。
3.書類の準備
(1) 申立書
(2)申立人照会書:申立人は4親等内の親族(市区町村長)がなります。
(3)本人の状況照会書
(4)後見人等候補者照会書
(5)標準的な申立添付書類
本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
本人の住民票(又は戸籍附票)
成年後見人候補者の住民票(又は戸籍附票)
本人の登記されていないことの証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
本人の診断書及び診断書附票(家庭裁判所が定める様式のもの)
(6)財産目録
本人の財産に関する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書),預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し,残高証明書等)等)
(7)本人の親族の同意書
(8)親族関係図
4.申立の予約
5.申立
申立人、後見人等候補者
申立書類一式、収入印紙、郵便切手、(鑑定費用)
第4条(審判請求の要請)
次に掲げる者は、対象者が成年後見等を必要とすると判断したときは、成年後見
等開始の審判請求を市長に要請することができる。
(1) 民生委員又は児童委員
(2) 対象者の日常生活の援護者で当該対象者の親族以外の者
(3) 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の職員
(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第27項に規定する介護老人保健施設の職員
(5) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成年法律第号。以下「障害者
総合支援法」という。)第5条第12項に規定する障害者支援施設の職員
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院又は診療所の職員
(7) 介護保険法第115条の46第1項に規定する地域包括支援センターの職員
【Q】「成年後見制度利用促進委員会の意見(平成29年1月13日)を踏
まえ成年後見制度利用促進基本計画の案に盛り込むべき事項」を紹介しています。
http://www.cao.go.jp/seinenkouken/ikenbosyu/index.html
【A】詳細は、内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 成年後見制度利用促進 > 「成年後見制度利用促進基本計画の案」に盛り込むべき事項に関する意見募集について を参照してください。
1. 成年後見制度利用促進基本計画について
「基本計画は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるものであり、政府が講ずる成年後見制度利用促進策の最も基本的な計画として位置付けられる。」とし「今回策定する基本計画は、平成29年度から平成33年度までの概ね5年間を念頭に定めるもの」として、各施策の段階的・計画的な推進に取り組むとしています。
2. 成年後見制度利用促進に当たっての基本的な考え方及び目標等
「現在の成年後見制度の利用状況をみると、成年後見制度の利用者数は近年、増加傾向にあるものの、その利用者数は認知症高齢者等の数と比較して著しく少ない」、「後見・保佐・補助と3つの類型がある中で、後見類型の利用者の割合が全体の約80%を占めている」状況は、「社会生活上の大きな支障が生じない限り、成年後見制度があまり利用されていないことがうかがわれる。」としています。
そのうえで、「成年後見制度の利用促進に当たっては、成年後見制度の趣旨でもある①ノーマライゼーション ②自己決定権の尊重 の理念に立ち返り、改めてその運用の在り方が検討されるべきで」、「今後一層、③身上の保護の重視 の観点から個々のケースに応じた適切で柔軟な運用が検討されるべきである」としています。そのうえで今後の施策の目標、今後取り組むべき重要施策、進捗状況の把握・評価等(ここでは省略します)を提案しています。
今後の施策の目標として、
ア)利用者がメリットを実感できる制度・運用へ改善を進める
「利用者に寄り添った運用」「保佐・補助、任意後見の利用促進」
イ)各地域において、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築を図る
ウ)不正防止を徹底するとともに、利用しやすさとの調和を図り、安心して成年後見
制度を利用できる環境を整備する
エ)成年被後見人等の権利制限に係る措置を見直す
更に、今後取り組むべきその他の重要施策として、
ア)成年被後見人等の医療、介護等に係る意思決定が困難な人への支援等
イ)死後事務の範囲等
3. 成年後見制度の利用の促進に向けて総合的かつ計画的に講ずべき施策
(1)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善
(2)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり
「各地域において」、「権利擁護支援の地域連携ネットワークを構築する必要がある」。「地域連携ネットワーク」は「本人を後見人とともに支える「チーム」による対応」と、「協議会等を設置し、個別の協力活動の実施、ケース会議の開催や、多職種間での更なる連携強化策等の地域課題の検討・調整・解決などを行う」仕組みを有するものとして構築が進められるべきとしています。「地域連携ネットワーク及び中核機関が担うべき具体的機能等」を以下のように定めている。
ア)広報機能:司法、行政、福祉・医療・地域などの関係者は、成年後見制度が本人の生
活を守り権利を擁護する重要な手段であることの認識を共有し、利用する本人への啓発活動とともに、そうした声を挙げることができない人を発見し支援につなげることの重要性や、制度の活用が有効なケースなどを具体的に周知啓発していく
イ)相談機能:中核機関は、成年後見制度の利用に関する相談に対応する体制を構築す
る。弁護士会・司法書士会・社会福祉士会等との連携確保は、市町村区域を超えた広域対応が必要となる場合もあり、市町村と都道府県が連携し支援する必要がある。各地域の特性に応じ、民生委員協議会や自治会、税理士会、行政書士会等多様な主体との連携も図られるべきである。
ウ)成年後見制度利用促進機能:受任者調整(マッチング)等の支援、担い手の育成・活
動の促進、日常生活自立支援事業等関連制度からのスムーズな移行
エ)後見人支援機能:中核機関は、親族後見人や市民後見人等の日常的な相談に応じ、関
係者がチームとなって日常的に本人を見守り、本人の状況を継続的に把握し適切に対応する体制を作る。
オ)不正防止効果:親族後見人等が孤立することなく、日常的に相談等を受けられる体制
が整備されていけば、不正の発生を未然に防ぐ効果が期待される。後見人による不正の機会を生じさせない仕組みや監督などを行う機能を家庭裁判所の外でもどのように充実させていくかについては、法務省等において、最高裁判所や専門職団体、金融機関等とも連携し、地域連携ネットワーク及び中核機関の整備による不正防止効果も視野に入れつつ、実効的な方策を検討する。
(3)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和
(4)制度の利用促進に向けて取り組むべきその他の事項
①任意後見等の利用促進
②制度の利用に係る費用等に係る助成「全国どの地域に住んでいても成年後見制度の利用
が必要な人が制度を利用できるようにする観点から」「成年後見制度利用支援事業を実施していない市町村においては、その実施を検討する」「成年後見制度利用支援事業が市町村長申立てに限らず、本人申立て、親族申立て等を契機とする場合をも対象とすることができること、及び後見類型のみならず保佐・補助類型についても助成対象とされることが明らかにされていることを踏まえた取扱いを検討すること」「成年後見制度の利用促進の観点からの寄付を活用した助成制度の創設・拡充などの取組が促進されることが望まれる」としています。
(定義)任意後見契約、本人、任意後見受任者、任意後見人
第二条 次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。
一 任意後見契約 委任者が、受任者に対し、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務の全部又は一部を委託し、その委託に係る事務について代理権を付与する委任契約であって、第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された時からその効力を生ずる旨の定めのあるものをいう。
二 本人 任意後見契約の委任者をいう。
三 任意後見受任者 任意後見監督人が選任される前における任意後見契約の受任者をいう。
四 任意後見人 任意後見監督人が選任された後における任意後見契約の受任者をいう。
(任意後見契約の方式)公正証書
第三条 任意後見契約は、公正証書によってしなければならない。
(任意後見監督人の選任)任意後見監督人
第四条 精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者の請求により、任意後見監督人を選任する。ただし、(略)
(任意後見監督人の職務等)
第七条 任意後見監督人の職務は、次のとおりとする。
一 任意後見人の事務を監督すること。
二 任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること。
三 急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において、必要な処分をすること。
四 任意後見人と本人との利益が相反する行為について本人を代表すること。
2 任意後見監督人は、いつでも、任意後見人に対し任意後見人の事務の報告を求め、又は任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況を調査することができる。
3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、任意後見監督人に対し、任意後見人の事務に関する報告を求め、任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況の調査を命じ、その他任意後見監督人の職務について必要な処分を命ずることができる。
(任意後見契約の解除)
第九条 任意後見監督人が選任される前においては、本人又は任意後見受任者は、いつでも、公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除することができる。
2 任意後見監督人が選任された後においては、本人又は任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除することができる。
(後見等との関係)第2項 任意後見受任者から法定後見の申立を行うことが出来る
第十条 任意後見契約が登記されている場合には、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り、後見開始の審判等をすることができる。
2 前項の場合における後見開始の審判等の請求は、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人もすることができる。
3 第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された後において本人が後見開始の審判等を受けたときは、任意後見契約は終了する。