Q. 所得税及び市民税・県民税の障害者控除について教えてください。
A.障がい者が納税者自身又は控除対象配偶者及び扶養親族が税法上の障害者
に該当する場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
特別障害者控除:
1. 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人
国税庁見解で成年被後見人の特別障害者控除を可とする見解が出ています(参考)平成24年8月31日、名古屋国税局審理課長回答
2. 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターもしくは精神
保健指定の判定により重度の知的障害と判定された人(療育手帳A1又は
A2の交付を受けている人)
3. 1級の精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
4. 1級又は2級の身体障害者手帳の交付を受けている人
5. 恩給法に定める特別項症から第3項症までの戦傷病者手帳の交付を受けている人
6. 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の人で、その障害の程度が特別障害者の範囲の1、2又は4
に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
7. 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
8. 常に就床を要し、複雑な介護を要する人
所得税は、所得金額から特別障害者控除として40万円が控除されます。なお、同居特別障害者に該当する場合、所得金額から75万円が控除されます。
市・県民税は、所得金額から特別障害者控除として30万円が控除されます。なお、同居特別障害者に該当する場合、所得金額から53万円が控除されます。
判定時期:所得税は、その年12月31日の現況によって、市・県民税は、課税年度の前年の12月31日の現況によって判定します。
障害者控除:
1. 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターもしくは精神保健指定の判定により知的障害と判定された人(療育手帳B1又はB2の交付を受けている人)
2. 2級又は3級の精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
3. 3級から6級の身体障害者手帳の交付を受けている人
4. 戦傷病者手帳の交付を受けている人
5. 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の人で、障害の程度が障害者の範囲として1または3に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
所得税は、所得金額から障害者控除として27万円が控除されます。
市・県民税は、所得金額から障害者控除として26万円が控除されます。
事例/成年被後見人の特別障害者控除を申請し、非課税世帯となりました。
収入:厚生年金134万円/年、企業年金25万円/年、合計年収159万円(65歳以上年金収入のみ、扶養なしの場合の非課税要件は155万円ですので、申請前は課税世帯でした。)
介護保険:資産要件も有りますが、負担限度額認定証を利用できることになりました(第3段階)。施設サービスや短期入所サービスの利用で市民税非課税の方などは、負担が増えないように食費や居住費について、負担する上限額が設定され、負担額が軽減されます。例えば1割負担、要介護4の方では、月11万円が月6万円の負担に軽減できます(概算)。この事は負担軽減の問題ではなく、施設入所を経済的理由で諦めざるを得なかった人の選択肢が広がる点で、成年後見人には是非検討してみてほしい制度です。この方は、病院を退院後に特別養護老人ホーム(個室)に入所することができました。
国民健康保険限度額適用認定証の適用区分が、エ57,600(44,400)円から適用区分オ35,400
(24,600)円に変更になりました。
その他市・県民税等も減額されます。